うたのたね

旅するシンガーソングライター 旅と音楽の話

えかみふるは

うたとたび

シンガーソングライターとして活動しています。
旅のこと、音楽のことを綴っていきます。

宇宙に身を任せて!ボイトレジャーニー後編

f:id:ekamifuruha:20180905202539j:plain

 

ということで前編では

 

音楽なんてちっとも好きじゃなかった昔から

音楽を始めるようになったいきさつまでをまとめました。

 

blog.ekamifuruha.com

 

さて、音楽活動を始めるようになったえかみだったが

依然、歌が上手く歌えないという問題が解決されていなかった。

 

そしてわたし血と涙のボイトレジャーニーが始まるわけだが・・

その前にわたしの歌唱力にどれほど問題があったのかを話しておこう。

 

 

特に問題だったのは

  1. 高い声が出ない。

    具体的には、基準のドより上のラから上が綺麗に出せなかった。

  2. 裏声(ファルセット)が全く使い物にならない。

    ファルセットの音が細すぎて、例えば地声を張ったあとで急にファルセットにすると全然声が聞こえないレベル。

 

もちろん低い声も出しにくいし、張った声しか出せない、エアリーボイスができない・・色々あるんだけど、特に基本的で大きな問題はというとこの2点に集約できた。

 

この2点は、とても重大な問題だった。

 

なぜなら特に1番目の問題に関しては、男性ボーカルの曲すら歌えないのだ。

例えば、スピッツやゆずとか高い声が売りの男性ボーカルはわたしにとっても難関となった。

 

そこで、高い声が地声で出せないならその部分を裏声にしたらどうかと試したが、そうすると今度は、2番目の問題が顔を出してくる。

張った地声と、シナシナの裏声ではチグハグがすぎる。

 

というわけで

わたしが仕事先の子どもたちに贈りたくて作った曲。

アーティストとして音楽を始めるきっかけとなった曲。

「Dear tot.」は、わたしの中で一番愛おしく一番憎らしい曲となってしまった。

 

この「Dear tot.」という曲は

トップノート(楽曲内に出てくる一番高い音)が、「シ」なのだが、「ラ」さえ綺麗に出せないわたしが「ラ」を飛び越して「シ」を綺麗に出せるわけがない。

しかも、その「シ」の音からサビが始まるのだ。

 

歌の盛り上がりの途中で、高い音が出てくるのはまだ歌いやすいのだが

出だしでいきなり高音を歌い出すのはなかなか至難の技。

なんてややこしい曲を作ったんだ。わたし。

 

ちなみに

「Dear tot.」のtotという単語は、英語で「小さい子ども、チビ」という意味だ。

 

「親愛なるチビちゃんたちへ」

という想いを込めた歌。

 

綺麗に歌いたい。

湧き上がってきた気持ちのままに伝えたい。

 

かくしてわたしは、血と涙のボイトレジャーニーへと繰り出すことになる。

 

 

まずわたしが思いついたのはもちろんのこと

「ボーカルスクールへ行ってみる」だ。

 

でもその前に歌の上手い彼氏がいたことを思い出し聞いてみた。

「どうやったらそんな風に上手に歌えるの?」

「ビブラートはどうやってるの?」

「高い声はなんで出るの?」

「裏声なんでそんな綺麗なの?」

 

その答えは全て「わからない。」だ。

彼は昔から歌が得意で、小学生、中学生くらいの時からすでに周りから上手いね〜と言われて、カラオケでもどこでも天狗だったらしい。

 

歌が上手い友人にも聞いたが答えは同じだった。

「歌ってたら上手くなるんじゃないの? 」と。

 

つまり、もともとできる人間には「なぜそれが"できる"か」がわからないのだ。

彼は彼で「逆になんでできないの?」とさえ思ったかもしれない。

 

「なんで勉強そんなにできるの?」

「なんで逆にできないの?」みたいな。

 

これムカつくな〜笑

 

でもわたしだってAIBO

「どうやって呼吸してるの?」と聞かれたら

答えはもちろん「わからない。」だ。

 

確かに最初から苦労なく何かができた人間は

なぜ"できる"かわからない"=なぜ"できない"かわからない" わけだ。

 

これはもうアカデミックな先生にやはり聞くしかないと

ボーカルスクールの門を叩いた。←表現がいちいちちょっと古い。笑

 

渋谷の某ボーカルスクールに通い始めたわたしは

しかしながら数々の驚きと絶望に直面した。

 

 

ある時は、

えかみ「高い声が出ないんです。」

先生A「あー高い声かー。大きい声出してごらん。」

えかみ「え?」

先生A「とにかく張って大声出してみな。」

えかみ「あ゛ーーーーーーーー!!!!」

先生A「もっともっと!!!」

えかみ「ぎあ゛ーーーーーーーー!!!!」

先生A「もっと!渋谷駅のホームにいる人に届く勢いで!!!」

えかみ「ぎあ゛ー!げふっゴホゴホ」

 

届くわけあるか!ってかアリーナでもあるまいに!

渋谷のホームにこの声届いてますかー?っておかしいやろ!

高音の代わりに咳出たわ!!!

 

 

そしてある時は、

先生B「背中で宇宙感じましょう!」

えかみ「はい?」

先生B「最初は難しいと思うんだけど、背中で宇宙を感じるの!」

えかみ「う・・うちゅう・・・?」

先生B「宇宙に身を任せて!」

 

そのあと宇宙に身を任せながら、ドレミファソラシド〜と音階練習をすることになった。

 

宇宙なんて、生まれてこのかた"頭上"にだって感じたことはない。

それを背中に宇宙ですか。

なんかこの後やばいセミナーとかに勧誘されるに違いない・・。

そして、"宇宙を詰めた壺"とか買わされるのか・・。

絶望に陥ったえかみであった。

 

 *ちなみにめちゃめちゃ後日談、いや後年談で今思うとこれ理解した!

確かに背中に宇宙だわ!先生間違ってなかった!

でもね。あの頃のわたしには理解できないって!

理解ができるようになる遥か何万光年前にいたんだから。

 

 

でももしあの先生が「背中に宇宙」を理解できる方法で、あの時教えてくれてたらわたしは飛躍的に伸びてたかもな〜。

ボイトレジャーニーのターニングポイントをすぐに迎えてたのかも。

 

 

そんなこんなでえかみのボイトレジャーニーは波乱の幕開けを迎えた。

 

そして、いろんな先生のレッスンを受けて・・・

「専門のジャンル」「音大卒なのか」「専門卒なのか」「海外経験の有無」「現役ミュージシャン」「今はプロデューサー」などの経歴で、先生がどういうタイプでどんな教え方するのかなんとなくプロファイリングができるようになった。

 

さて、今日はここらへんに。

後編だったのに終わらなかった!笑

 

えかみふるはのボイトレジャーニーはまだまだ続く・・・

 

次回、先生の「ジャンル別プロファイリング(笑)と運命の恩師との出会い」をお伝えします!